学長あいさつ
ごあいさつ
18世紀のヨーロッパで経済活動に成功して経済力を手に入れた市民は、その財力で支配者の王侯から政治力をも獲得しました。お金や地位を得て満足した市民の中に、何か足りないと感じた一部の市民は、心(animi)を耕し(cultura)て精神的豊かさ(cultura animi)を求めようとしました。彼らは、こうして得た心の豊かさを、略してcultureと呼びました。それを社会では「文化」と記し、個人の場合は「教養」と訳しています。
人生の中段で経済的また社会的な力を修得された皆さんに、この第三の力「教養」を獲得していただくための、阪神地域を代表する学びの場が、このシニアカレッジです。
「知は生命の泉なり」とソロモン大王は言いました。教養は生きる力の大きな源泉です。現代世界の中でパンデミックや紛争を見るにつけ「国際理解学科」や「健康学科」の意義が痛感されますし、混乱を超えた本来のやすらぎを求める時、「園芸学科」や「阪神ひと・まち創造講座」の役割が認識されるでしょう。
今年も190名の新入生を迎えて、合計630名の皆さんが、熱心な講師による講義、27に及ぶクラブ活動を通じ楽しい日々を送っておられます。事務局スタッフの支援も強力です。
さあ、あなたもこの学びの輪に参加されませんか。
令和6年4月 兵庫県阪神シニアカレッジ 学長 田辺 眞人